「あんたね! もう少し人に頼りなさいよ! この前どれだけ心配したかわかってんの⁉ 大体、詩恩は自分のことあまり話してくれないよね⁉ 信用してないわけ⁉」

「信用してるよ」

「してるんなら話してよ! 黙ってるほうが迷惑だよ!」

「……ごめん。わかったから騒がないで」



口論していると、少し離れたところから母とお兄さんが心配そうに私達を見ていた。

あぁ、また人前で騒いでしまった……。



「詩恩は自立しすぎてる。とにかく、素直に私達に頼って。っていうか頼れ!」

「はいわかりました。お気遣いありがとうございます」



詩恩達と別れて、母の運転する車に乗って帰路に就く。



「詩恩くんと言い合ってたけど、何かあったの?」

「あいつ、風邪引いてたこと家族に黙ってたって……」



しまった。親に話さないでって言われたのに。

信用してるって言ってくれたのに早速裏切ってしまった。



「そうなんだ。さっきお兄さんと話してたんだけど、詩恩くんは家族……特にご両親には、あまり自分のことを話さないんだって。仕事が忙しくてずっと1人にさせてるから、言いたいことも我慢してるんじゃないかなって言ってたよ」



やっぱり……中学生の頃からずっと1人で過ごしてたって言ってたもんな。

あ、もしかして肌が荒れてた原因って……。