クズ男の独占欲に溺れて。

意識が曖昧でバランスが保てなくなって目の前の胸に倒れ込んだ私を見てまたわらう。



「真面目な絢瀬が教室で淫猥な行為してるね」
「……してないって」

「へえ」



はあはあ、と息が上がって、胸に預けている頭を片手で上に向かせて、私を見て怪しく目を細めた。

予測はできないけれど、私をダメにさせるのには十分な行為ということだけは理解した。



首筋に落ちる唇が彷徨って、耳から首筋にかけて這いずって、ツーっとなぞられて、私の卑猥な声が洩れる。

まともな思考ができなくなって、吸われた部分から熱くなって、ふたりの熱に溢れ出す。




「ん……あっ……」



彷徨っていた唇がある場所で止まって、思考もままならない私を見て、「支配欲に駆られると喉にキスしたくなるんだって」と言った。

喉に当てられた唇が皮膚を吸う度にゾクゾクとした感覚に襲われて、よろけてしまった私の腰を引き寄せる。




「ねえ……これ……っ、見られたら……」
「何それ、今更だよ?」