昨日の出来事は、まるで魔法にかけられたシンデレラのようで。

私はふわふわした気分のまま、朝を迎えた。


今日は普段どおり、学校がある。

会長と一緒に家を出る。

『ひとりでも学校に行ける』と伝えたのだけれど、会長は『心配だ』と言って聞かなかった。


……会長と登校できるのは、とても嬉しいんだけれど。


昨日の金髪男に襲われてから、会長は私のことをとても心配してくれている。

少し申し訳ないような気もする。


それでも、会長が隣で笑ってくれるなら。

私は会長に甘えたいと思ってしまう。


会長が玄関の扉に鍵をかけたのを確認する。

それから隣を歩いて、通学路を歩く。


会長は私の歩幅にペースを合わせてくれて。

私が昨日の恐怖を思い出さないように気遣ってくれて。


そうだ。

夏樹ちゃんに、まだワンピースのこと、話せてない……。

話してしまったら、きっと心配をかけてしまうし、悲しい思いをさせてしまう。

せっかく選んでくれたワンピースなのに。


……時間を見つけて、ワンピースを直そう。


お裁縫は苦手だけど、頑張るしかない。


それが今の私に出来ること。