東京ルミナスピラー

父さんが口を開いた瞬間、槍を取り出してその先端をとある人物に向けた。


一瞬、何が起こっているかわからなかったけれど、よくよく考えるとその理由もわかる。


「黒井蘭子。灯の面倒を見てくれたことは感謝するよ。だけどどうしてお前はここにいる? 親父の差し金か? 一体何を企んでやがる」


槍を向けられていたのは……蘭子。


眉ひとつ動かさず、ジッと父さんを見詰めるその姿は、言いようのない恐ろしささえ感じる。


「お、おじさん! それはただの偶然ってもんだぜ! 蘭子は西軍で出会ってさ、意気投合して俺達がここに連れて来ただけなんだよ! こいつの意思じゃねぇ!」


槍の先端が蘭子の額に触れそうなくらい近付いた時、慌てて宗司が蘭子を庇うように抱き締めてそう叫んだ。


「父さん! 宗司の言う通りだ! 蘭子は北軍に来たわけじゃない。西軍に来たんだよ!」


宗司を援護するように、俺もそう言ったけれど、父さんは首を横に振って、ため息と共にタバコの煙を吐き出した。


「お前ら……だったらどうして西軍にいた? この子は東軍で、まさか恋人探しで両国を超えたわけじゃないだろ? 何か裏があるはずだ」