東京ルミナスピラー

~現在~


「その後、しばらくは何事もない平穏な毎日が続いたよ。だけどあの日……あの雨の日、恵梨香ちゃんが生まれたばかりの葵を抱えてうちを訪ねた時、俺はその時が来たんだって思ったね。その男には、葵の父親が必要だった。だけど居場所が掴めなかったんだろうな。だから今度はその妻を襲ったわけだ」


……初めて聞く話だ。


だけどわからない。


俺の本当の父親は、母さんを見捨てて逃げ出したんじゃなかったのか?


父さんの話が本当だとすると、母さんや俺に被害が及ばないように逃げていたとも取れるけど。


いや、だとしたらどうして一度も俺に会いに来ない。


母さんの墓前に来ない。


手前の命可愛さに逃げ出したに違いない。


「……聞かなくても、そんなことを考えるようなやつが誰かなんてわかるけど、一応聞くよ。その大馬鹿野郎は誰なのさ? この光に囲まれた街は、そいつが作ったってことなのかい!?」


温厚な吹雪さんが声を荒らげて父さんに迫る。


「恐らくそうだ。理屈なんて俺にはわからないけど、何らかの方法を見付けたか、ただの偶然か。あいつが……黒井風助が、この街を作ったのは間違いない」