東京ルミナスピラー

「よう、ご両人。日曜の昼下がりにデートとは楽しそうで何よりだ」


男も二人に気付いたのか、顔を合わせるなりニヤリと歪んだ笑顔を見せた。


「こっちの世界でお前に会うとは思わなかったけどね。こんなところで何してんの? メイドカフェにでも行こうとしてるのかい?」


「まさかだろ? 名鳥、狩野。これが何か、お前らにはわかるよな?」


横断歩道の真ん中で立ち止まっている三人。


男がポケットから取り出したのは……少し大きめのスマホのような物だった。


画面が割れて、壊れてしまっているのか起動も出来ない様子のその端末を見て、名鳥と明は驚いたような表情に変わった。


「そ、それは……PBM!? いや、PBTか! どうしてそれがこっちに……いや、お前、それをどうするつもりなんだ?」


「狩野、お前はわかるよな? 俺達は一度、こっちの世界に戻ることが出来た。その時俺は、こっちの世界でこいつを落としたんだ。今の技術ではこいつを解析するのは不可能かもしれないけどよ、俺はやってやるぜ。希望と絶望が詰め込まれてるんだよこの中には」


そう言い、すれ違いざまに名鳥の肩をポンッと叩いた男。


そのまま人混みの中に消え、名鳥達は後を追うことはしなかった。