東京ルミナスピラー

「こんな世界壊してやる! 光を返せ! 俺の家族を返せ! 何もかも破壊し尽くしてやるぞ!」


ビルの上から飛び降りる父さんを見ながら、俺は一歩前に出た。


父さんの悲しみと憎しみは深い。


それに、憎しみや力で対抗しても、父さんの心は救われないだろう。


なんて、多分そんなことを考えていたわけじゃないな。


父親に対して、抵抗を示したかっただけかもしれない。


俺は二人の前に出て、両手を広げた。


父さんなら、容易に胸を貫ける無防備な状態。


「しょ、正気かよ! 葵!」


「バカが! 時と場合を選べ!」


二人の言葉が背中に刺さる。


地面に着地した父さんが、槍を構えて俺に向かって迫る。


少し前に、俺を殺そうとした父さん。


今もきっとそれは変わっていなくて、俺の命を奪うことを躊躇しないだろう。


その言葉通り、全てを破壊し尽くすまで止まらないかもしれない。


でも、ほんの僅かな可能性でも、俺を殺すことで正気を取り戻す可能性があるなら。






「父さん……俺、灯と結婚するよ」





槍が俺の左目の直前まで迫っていた。


だが、その先端は目を貫くことはなく、目尻を掠めて後方に流れたのだ。