涙を堪え、
教卓の下で唇を噛みしめている私。
そんな私の存在に、
二人は全く気付いてない。
早く、教室から出て行って欲しいのに。
綺月君をいじるような、
和明君の声は止まらない。
「綺月は良いよな。女、選びたい放題でさ」
「別に……
女なんて、興味ねぇし……」
「でたでた。女嫌いの綺月」
「へんなあだ名、つけんな」
「学校一のモテ男のくせに。
話しかけてきた女、全無視なんて。
贅沢なんだよ、綺月は」
「和は、女なら誰でもいいんだろ?
ある意味、羨ましいんだけど」
「誰でもじゃねえし。
俺、立花だけは、絶対に無理!」
そこ、需要!とでも言いたげに、
和明君は念押ししたけれど。
私の心は、鉛で固められたように重く。
転覆寸前。
私だって、
和明君とキスなんてしたくないもん!!
心の中の思いを、本人にぶつけたくなる。
ヘタレな私には、
教卓から飛び出す勇気すら、
持ちあわせていないけれど。



