東京ヴァルハラ異聞録

いや、そうじゃない。


左右の振れ幅を大きくすれば、狙いを定めにくいと思っていたけど、それだとタイミングを合わせやすいのか?


それよりも、不規則に左右に揺れた方が狙いは定めにくいかもしれない。


これは、近接戦闘でも同じ事が言える。


そう感じた俺は、一直線に矢が飛んで来た方に向かって走り出した。


間隔としては、矢が放たれてから次の矢が飛んでくるまでに0.5秒。


そのギリギリまで真っ直ぐ走って……飛んで来るタイミングで左右に移動する!!


身体を横に傾けた瞬間、今まで俺の頭部があった場所を矢が通り過ぎた。


上手く行った!?


それに……かなり遠くにいるけど、矢を射っている人物を確認出来た。


ここから約500メートル先!


「……嘘だろ?」


自分が出した答えに、思わず声を漏らした。


最初に攻撃を受けた場所から、既に300メートルは移動しているのに。


800メートル離れた場所から、的確に俺を狙って矢を放ったのかよ!


「デタラメな強さだな……だけど、こいつを倒せば!」


隣のビルに移る時、矢を射られないようにタイミングをずらす。


空中にいる所を狙われたくはないからな。