東京ヴァルハラ異聞録

怒られるはずの人がいなくて、本来怒られなくていいはずの人が代わりに怒られる。


よくある話だ。


「まあ良いわ。とりあえず両国駅まで退きましょう。現存戦力で行える作戦を考え直さなきゃ」


「それは別に構わないけど……何匹か気付いたみたいだよ?ほら、三匹くらいがこっちに向かってる」


三匹なら、まあやれない事はないな。


それを悟さんもわかっているのだろう。


落ち着いた様子でポーンに槍を向けて桜井に言っていた。


「仕方ないわね。じゃあ、あの三匹を倒したらすぐに両国駅へ……」


と、迫る三匹のポーンを迎え撃とうと武器を構えた時だった。


突如、三匹を踏み付けて、ドゴンという地面を蹴る音と共に……ナイトが俺達に迫ったのだ。


「!?ま、まずい!逃げてっ!!」


まるで空から降って現れたようなナイトの襲撃に、桜井も焦りの色を隠せない。


それは俺達だって同じで、まさかここでナイトと戦う事になるとは!


「こ、こんなやつと戦えるわけないだろ!!」


一人の男が、すぐに振り返り両国駅へと走る。


だが、ナイトは手に持った槍を投げ付けて、その男をあっさりと貫いて殺したのだ。