東京ヴァルハラ異聞録

槍が突き付けられる。


空中でこの攻撃を回避する事が……出来ない!!


それでも何とか身体を捻り、日本刀を振って槍を回避しようとするけど、穂先が俺の右脚を捉えた。


激しい痛みが走って……右太ももに槍が突き刺さったのだ。


「うぐぅっ!!」


そして悟さんは貫かれた俺を、槍を振って地面に叩き付けた。


その衝撃で槍から解放されたものの……ダメージは大きい。


「や、やばい……こんなので勝てるのかよ」


左脚を軸にして何とか立ち上がり、悟さんを見る。


梨奈さんの方も、延吉を攻めきれずにいるようで。


千桜は防戦一方というか、籾井の攻撃を避けてばかりいる。


完全に押されている。


北軍は一人しかいないのに、魂の鎖はこんなにも厄介なものなのか。


篠田さんの期待に答えられないかもしれないな、これは。


俺と梨奈さんの間に悟さんがいる。


立ち位置的にはチャンスなのに、この脚ではそれを活かし切れないかもしれない。


そんな中で、チラリと梨奈さんがこちらを見た。


「……弱音なんて、吐いてられないよな」


骨を砕かれたわけではない。


多少削られたような気もするけど、この街特有の物か、それとも日本刀のおかげか、痛みが抑えられている。


だから……まだ行かなければならない。