東京ヴァルハラ異聞録

千桜さんにそう言われ、俺はチラリと梨奈さんを見た。


悟さんは俺だけを見ていて、他には目もくれない。


だから、千桜さんの攻撃を防げずに直撃を食らったのか?


そんな事を考えている間にも、悟さんが迫る。


俺の考えている事を、梨奈さんが察してくれるかどうかわからないけど……。


「梨奈さん!!こっちに投げて!!」


「えっ!?わかった!」


後退しながら、悟さんの槍を飛び上がって回避。


次の瞬間、梨奈さんの風火輪が悟さんに襲い掛かる。


だが、そこはさすがに悟さん。


正面から飛んで来た風火輪を、槍を振って弾いたのだ。


ダメかと思われた瞬間、千桜さんの棒が悟さんの右手に突き刺さる。


「僕の棒手裏剣は狙いを外しませんよ。殺傷能力はそんなに高くはないですがね」


悟さんの後方から投げた棒……棒手裏剣。


相変わらず……無駄にかっこいい時がある!


「わははは!馬鹿め!両手でやっとわしと戦えていたのに、武器を放したのは失敗だったな!」


延吉が仕込み杖を、横を向いている梨奈さんに向かって突き付ける!


だけど……俺が梨奈さんを守る!


着地と同時に、水平に梨奈さんに向かって飛び、延吉の攻撃を下から潜り込んで上方に弾いた。