「好きです、大好きです。ずっと傍にいてください」

 彼の想いが光となり私の闇を消していく。

 私は姉のように可愛くない。

 地味だし根暗だし電信柱みたいに痩せっぽちで背も高いし、今だって自分に自信がなくて不安だけど、それでも佐藤さんは私のことを好きと言ってくれる。

 その温かな心と身体で私を包んでくれる。

 寒いのは嫌い。

 でも、彼がいてくれるなら寒さにも堪えられる。彼と共にいたい。一緒に暮らしたい。

「私も佐藤さんの傍にいたいです。あなたが好き」

 自分の言葉に照れながら私も彼に腕を回した。彼は私より身体が小さいけど、その存在は私なんかよりずっと大きい。もうなくてはならないくらい大きい。

 きゅっと抱き締める力を強めた。彼も同じ強さで返してくれる。

 うん、あったかい。

 心の中でそうつぶやいた。
 
 
**本作はこれで終了です。

 ここまでお読みいただき、ありがとうございました。