「わぁっ…!」
ふわっとお姫様抱っこされたかと思えば。
そのままベッドに腰を下ろした膝の上へと乗せられる。
「最近ずっとお前に避けられてさ。お兄ちゃん傷付いてるんだよね」
「…それは…だって、」
「キスしたから?」
「っ…!」
どうしてこんなにサラッと言えてしまうの。
あぁそうか。
この男は私をマスコットとしてしか見ていないから。
ぬいぐるみを抱き締めたりキスしたり、そういう感覚と同じなんだきっと。
「私だってあんなの犬とかにするのと同じだよっ!」
「…へぇ、犬?」
「そう犬っ!」
意地張ってんじゃないよ私のバカ…。
兄としてじゃなく、男の子として彼が好きって気付いたのに。
それでもお兄ちゃんからすれば私はきっとちんちくりんな妹でしかなくて。
「なら発情期には気を付けてね。今みたいな体勢だって、下手したら簡単に襲われちゃうよお前」
それでこんなこと言って私の反応を楽しんでるんだ。
だってこの人には好きな人がいる。
あの綺麗な年上のギャル…。
「大丈夫ですよーだっ。お兄ちゃんが私に欲情するわけないもん」
「なんで?」
「なんでって…ウサギさんパンツだし、そそられなさ過ぎてびっくりしてるって……前言ってたくせに」