「……は、はぁっ!? 矢坂っ……!? んな奴知らねぇな。人違いじゃねぇか……?」
「……どっから見ても矢坂だろ」
どういうわけか、知られたくない理由でもあるのか、全力で本人説を否定する。
「あのなぁ、この世には似た人間が三人いるって知らねーのかよ羽川」
「……」
「……」
羽川、とはもちろん律くんのことである。
矢坂くんはやっぱり墓穴を掘る傾向にあるらしい……。
「頼むよ! このことは玲来にだけは言わないでくれ……!」
あっさり認めた矢坂くんは私達に懇願する。
「玲来ちゃんにって……あっ!」
矢坂くんが見上げていた先はカフェがあって、そこは玲来ちゃんのバイト先でもある。



