* * *
「芽衣、こっち」
学校から少し離れた場所まで歩いてきたところで、律くんに腕を掴まれた。
「あっ」
「帰り道はそっちじゃないだろ」
律くんがさす傘の中からはみ出た私を自然に引き戻していく優しい手に、魔法にかけられたみたいに一気にドキドキして、顔が熱くなる。
「勝手に離れないで」
「……はい」
再び肩が触れる距離に戻されて、このまま魔法が解けなければいいのにって思っちゃう。
そんな私の気持ちを玲来ちゃんに報告したら「やっぱりポエマー希望じゃん」なんて言われてしまいそうだけど。
「で、でもね律くん! 今日は、ちょっと私に付き合ってほしいな……って思ってて」



