「そ、そうなの! 本当に何も手につかなくて……」


「そんなに俺のことが好きなわけ?」


長い前髪の隙間から私を見つめる律くん。

息を吐くように曖昧に口元を上げる。


ああもう……、心臓がギューーンてなるからやめてほしい。

それにこんな至近距離で聞かれたら照れるもん。

だけど、事実だから私はしっかり認める。

ブンブン頭を縦に振ってみせた。


「0点取るほど?」


なおブンブンと頭を縦に動かす。


「これで5回目だよね」


「えっ、律くん違うよ! ここはハッキリ否定させてもらうからね!」


「は? 誤魔化そうとしないで」


「6回目だよ!」


「……バカ」