心臓はこれでもかってくらい大きく高鳴っていく。

もうダメだ……。

みるみるうちに体温が上がっていく。

恥ずかしすぎるからこんなの嫌だったのに、もう逃げられるわけもない。


「ほら。やっぱり0点じゃん」


「……」


スッと奪われたのは、今朝返された国語の小テスト。

律くんにこんなひどい結果を知られたくなくてずっと隠してたんだけど、大失敗。


「初めてじゃないんだからさっさと見せればよかったんじゃない?」


律くんのツーンとした態度が向けられる。

だけど、意義あり……!


「あのね、これには理由があって……っ」


「その理由ってのがさっき言ってたことでしょ」


勢いよく顔を上げて反論を試みるも、先に言われてしまった。

ならば仕方ない……。