それに、俺の周りにいる奴は大抵が聞いてもないことを自ら話してくる。
矢坂に関してはボケツを掘る天才だ。
家まであと半分のところでスマホを取り出してみると、芽衣から3件メッセージがきていた。
【律くんただいま!】
最初は家についたことを知らせる内容で、
【律くん! これからお母さんとクッキー作りします! 初めての時よりおいしく作れるように頑張るね!】
……なにこれ。
こんなメッセージ送ってくるなんてやっぱり嫌がらせでしょ。
帰宅途中の学校の奴らがいるのに、道端でにやけさせるつもり?
返信する寸前、俺に第二の災難か降りかかった。
「羽川律っーーーーー!!」
背後に迫りくるのはエンジン音と矢坂の声だった。
嘘だろ……。
振り返れば、案の定そこには黒塗りの車の後部座席から顔を出した矢坂がいた。



