「ん? その顔は、俺の器用さに圧倒されているね?」
あの冷徹非道だと悪名高い会長だけど、矢坂と同じ匂いがして引いてるだけだ。
「返してほしいか?」
得意げに聞いてくるけど、
「その質問、愚問じゃない? 俺がここにいるってことはそういうことだろ。他に理由なんかない」
「ほお。随分と生意気だ。素直に、西宮のクッキーを返してほしいと言わないか?」
「元々は俺のだろ」
「そうかもしれないが、これは西宮が“初めて”作った、クッキーだそうだな?」
……やけに強調してくるな。
「うん。だから返して?」
「なっ!? なぜ素直になる!?」
「は……?」
素直になれって言ったのはそっちでしょ。
「それじゃあつまらないじゃないか! まだ完全下校の時間まで30分もあるんだぞ!」
「……」



