「だって私……ずっとあのことが気になって気になって眠れなくて大変なの!」


「へぇ」


「へぇ?じゃないよ律くん……っ! もう考え出したらキリがないのに!」


頬を膨らませて、芽衣がムキになる。

やば、触りたい。


「聞いてる……? 律くんってば!」


「それでいいんじゃない?」


「よ、よくないよ……っ」


いいんだよそれで。

俺のことだけ考えててよ。


「律、くん?」


そんな欲張りな気持ちで芽衣を見つめていたら、それに気づいたらしい芽衣が首をかくんと傾げる。


あー、めちゃくちゃキスしたい。


「どうしても、ダメ? 教えてくれない?」


芽衣がそこまで知りたいのは“あのことだ”。