──春休みの日曜日。


「お願い律くん!」


俺の部屋で、俺のベットの前で正座して、顔の前で手を合わせる彼女──芽衣は、そっと大きな目を上げた。


「ダメ」


「うぇ!? な、なんで!?」


期待通りの反応するから、溜め息が出る。

その顔は反則だから。


今日、芽衣が俺の部屋に来たのは、どうしても聞きたいことがふたつあるからって理由だった。

で、今はその内のひとつを問い詰められてるわけだけど、教えてやんない。


てか言えないだろ、あんなの。