【完】無気力ですが、ベタ惚れ彼氏の溺愛方法に困ってます



だがしかし、それは嘘であることが証明された!

私の心臓は相変わらずバクバクとすごい速さで打ち付けている。

山神様の嘘つき……!!


相手役の律くんが、舞台の真ん中まで歩いてくる。

ここからは、別れのシーンだ。

現実と重なって、しんどいものがある……。


「待って」


……と、引き止める律くんの手が私の手を握る。


ドキッと鼓動が高鳴りを増す。


「もう……私のことは、忘れてください」


たとえ演技でも、悲しくなるセリフだ。


「私は、もうあなたを苦しめたくないの……っ」


まるで今の自分と重ねって、胸が苦しくなる。

律くんの切なげな瞳が、私を真っ直ぐに見つめていて、今にも涙が零れてしまいそうだった。