この数日、何度もスマホを眺めて、届くことのないメッセージを待って……。
学校に来ても、私の目は律くんのことばかり追いかけていて。
一度も交わることのない視線に、ホントにもう終わってしまったのだと痛感した。
それでも、今日は大切な日だ。
会長様とも成功させようって言葉を交わした。
でも、心の中はずっと雨が降っている。
「西宮さーん、そろそろ支度してね!」
本番が迫る中、私達は教室で最後の確認を行っていた。
絶対に成功させようと一丸となっている。
この空気を壊しちゃいけない。
「うんうん。可愛いよ芽衣? サイドに編み込みしてみたけど、すごく似合ってる!」
「玲来ちゃん、ありがとう……」
私は学生の役だから、特に衣装はない。
制服のまま、ヘアスタイルだけは玲来ちゃんが可愛くしてくれた。