「西宮さんのこと、遊びじゃない?」
遊び……と。
遊び……!?
なんてひどい言い草なんだ……!
律くんが遊びって……と、私は一点を見つめて考える。
「あれぇ? 憔悴しちゃった? え、もしかして、泣いちゃう?」
私の顔を確かめるみたいにそばまで来ると、クスクスと高い声を弾ませる。
「……東雲さん、それは絶対ないと思う!」
「ふふっ。わかんないよぉ?」
「わかるわかる! だって、律くんは必要以上にエネルギーを使いたくない倹約家でね!?」
「はっ……?」
楽しそうに笑っていた東雲さんの目が点になる。
「入試の時だって、この日を逃したら終わりってわかってるのに、走るの迷っちゃってた人なんだよ!?」
あの時、一緒に走ってくれたのが律くんだったから。
だから、私は今ここにいる。



