* * *
はぁ……。
なんて日なんだろうか。
あのあと、動揺した私は慌てて教室へ向かった。
その途中、階段で思い切り転んで足を打った。
幸いにも挫いてはいないし劇の練習にも支障はないけれど。
まさに踏んだり蹴ったりだ。
こんな気持ちを引きずったまま、このあと今日最後の練習は上手く出来そうにない……かも。
教室には律くんの姿はなくて、「さっきまでそこで台本読んでたけど、眠いからって保健室行ったぞ」と男子から伝えられた。
そして、私は今保健室の前に立っている。
律くんは、ここにいるんだよね。
いつもなら律くんの元へ一直線なのに、東雲さんに言われたことが頭の中から離れない。
律くんが蒼ちゃんを……?
そんなことない、と言い聞かせて、私は意を決して保健室のドアをノックした。



