【完】無気力ですが、ベタ惚れ彼氏の溺愛方法に困ってます



「ううん! 食べないよ! 粉々になっちゃったし……!」


「まさかそれで捨てたの?」


「違う違う! ちゃんと会長様に渡して預か……って……」


言葉は途切れた。

しまった……と思ったけどもう遅い。


「……決して会長様に渡したくてとかではなくてですね!!」


刺さるような視線を感じて顔を上げた。

ヒェッ。

律くんの空気が、すごく悪い……!!

ツーンとしてるのはいつものことだけど、それを上回るものがある。


「実は……っ、」


私はここまでに至る経緯とクッキーの行方を全て白状した。