嬉しくて顔が崩れてしまったらしい。


「そうですね。私だったら嬉しいです!」


「それならもう迷うことはないだろ?」


会長様に背中を押されて、私は元気よくベンチから立ち上がった。


──パサッ


「ん? なんだこれは?」


「……あっ! それは!!」


膝の上に置いていたのはラッピングしたクッキーだ。


「西宮。これは校則違……」


「違うんです! お願いです! 聞いてください!」


ほお、と私を見やるのは、完全に今まで見てきた堅物な会長様だ。


カバンの中に閉まっており、一度も学校では取り出していないこと、学校を出てから帰り道に渡そうとしていたことを伝えた。