【完】無気力ですが、ベタ惚れ彼氏の溺愛方法に困ってます



「すみません……会長様に話すことではなかったですよね」


「……いや、構わない。西宮にとっては深刻な問題だろう。ましてや今日はバレンタインデーだからな」


「……バレンタインは、もういいんです」


「風邪は仕方ないことだ。だが、あんなに張り切っていただろ?」


「はい。クッキーを作ったので律くんに受け取ってもらいたかったんですが、今はそれよりも律くんの体調が心配で……」


バレンタインを一緒に過ごせたらって思ったのは本当。

残念じゃないなんて言えば嘘になる。

でも、律くんの両親は仕事で毎日帰宅は夜になるって矢坂くんが言っていた。


どういうわけだか、雨の日に途中まで一緒に帰った時に仕入れた情報だとか……。