「わっ……!?」
「なんで俺以外の男にあげんの?」
なのに律くんはまるで容赦がない。
「ちょっ、律くん……!?」
「そんなの許すと思う?」
言いながらどんどん迫ってきて、私の背中は電柱へとピタリとくっついた。
「あ、あげないよっ! 律くんにだけだよ!」
「ふーん」
「あの、律くん……この手は……」
私の腕を掴んでいる。
もうこれ以上、逃げ場なんてないのに。
「走り出さないようにしてんの」
「走ったりしないよ!? ていうか、私が聞いたのに……!」
そうだよ。
バレンタインのことを聞いたのに。
メニュー