「──最近思い知ったの。私は何よりも、律くんに夢中なんだって」


教室の窓から外の景色を眺めながらポツリと零した。

それこそ、律くんが先日の帰り道にくれた言葉と同じ。


「四六時中、律くんのことを考えてるの!」


「……あのさ、ポエマーに対してわたしなんて答えたらいいのよ!?」


また始まったよ、と玲来ちゃんがふんっと鼻息を荒くした。


授業と授業の貴重な休み時間。


バレンタインムード一色に染まる女子の弾んだ声が聞こえる。


けれど、私の心中は決して穏やかではなかった。


その原因は、お分かりの通り律くんだ。