「好きすぎて、何も考えられなくて……っ」


静まり返った放課後の保健室。

ベットの上に座った私、西宮芽衣(にしみや めい)は思っていることを素直に白状する。


「恥ずかしがることないんじゃない? 初めてじゃないだろ」


一定の声のトーンで呟いたのは国宝級と言ってもおかしくはないほどのイケメン。

名前は羽川 律(はねかわ りつ)くん。

私と同じ高二でクラスも一緒。

色素の薄い無気力な瞳、明るめに染まった茶色い髪。

見つめられたら心臓止まりかけそうになる。(※個人の感想です)


鼻筋だって輪郭だって全てが黄金比ってやつなんじゃないかって思う。