「ダメ」
「……律……くん!?」
反射的に身体をくるっと返せば、いつものように無気力な瞳をした律くんがいて……。
ダメって……?
引き留められたことに驚きと嬉しい気持ちが入り交じって、言葉が出てこない。
「わわっ……!?」
「そのまま行くのはダメ」
教室内がざわざわとする中、注目を浴びていようが律くんはそんなのお構いなし。
ふわり、と自分のマフラーを無言で巻いてくれる。
「ありがとう……っ」
嬉しい、律くん……。
じーんと熱いものが胸に込み上げてくる私に「大袈裟だろ」と小さく笑った。
「羽川律」
……だがしかし。
その直後、会長様の硬い声が飛んできた。



