【完】無気力ですが、ベタ惚れ彼氏の溺愛方法に困ってます



「きゃっ……」


目をパチパチさせるしかない私の顎を摘んで、グイッと上を向かせる。

逃げる隙なんて与えないように、律くんの唇が頬に触れた。

チュッと聞こえるキスの音に、堪らずに身をよじる。


「芽衣」


吐息混じりに囁いて、腰まで伸ばした私の髪をくしゅくしゅともて遊ぶ律くんの手。

どこか妖しげな笑みに全身がカッと熱くなった。


「なにしてるの、律くん……っ」


「セクハラ」


「へっ!? セクハラ!?」


こっちは大パニックなのに律くんは真顔。

顔色ひとつ変えないもん。


「あー、でも。彼氏だからセクハラじゃないか」


一人納得したみたいに呟くと、今度は遠慮なく私の首筋に顔を埋めてきた。