「そこ座れば?」
「は、はい……っ」
パタン……とドアが閉まる音に、ドキンッ!と心臓が大きく揺れる。
再び緊張が襲ってくるけど、忘れちゃいけない。
「律くん……これなんだけど」
紙袋から取り出したマドレーヌの詰め合わせを手渡した。
「ご……ご家族の皆様で、召し上がってください!!」
お父さんの教えとはちょっと違ったけれど渡すことが出来た。
……と同時、律くんが耐えきれないといった様子で小さく吹き出した。
「気遣わなくてよかったのに。だいたいなにその言い方」
わぁ……。
律くんがこんな風に笑ってくれるなんて。



