清楚な格好で行きなさい!と、お母さんにも言われたし、ご両親にご挨拶する時もマイナスのイメージにはならない……はず。
手土産は残念ながらお小遣いが厳しくて、リサーチしていた物は用意できなかった。
紙袋の中に入っているのは「みなさんで召し上がってくださいって言って渡すんだぞ!」と、お父さんが買ってきてくれたマドレーヌの詰め合わせだ。
──ピンポーン……
震える指でチャイムを押すと、すぐに律くんがドアを開けてくれた。
「……え!?」
「なにその顔」
中から出てきた律くんに私は驚いた。
それは、律くんの私服姿を初めて見るから。



