「……律くんも、欲張りでいてほしい」


なにそれ、と律くんがすかさず反応した。


「この一週間の俺の我慢とか平気でぶち壊してくるよね」


「……えと、我慢って律くんが?」


真っ直ぐに言われたら、いくら0点を取るような私でも、その意味がわからないほどバカじゃない。


「我慢がきかなくなったら、危ないのはお前の方だけど?」


「……っ、」


「それでも、俺も欲張りでいいんでしょ?」


律くんの意地悪な顔。

これはやばいと後退りしようとしたけど、チュッと唇にキスを落とされた。


「……なっ!?」


「避けられると思ってんの?」


律くんの容赦ないキスに、全身の熱が顔に集中していく。