「あ、れ……? 律くん?」
チラっと律くんに目をやれば、先程と同様ベットに寝転んでいる。
長いまつ毛はピクリとも動かない。
小さな寝息が聞こえてくる。
ああ、また寝ちゃった……。
落胆しつつも無防備な寝顔をじっと見つめる。
髪サラサラだし、寝顔さえ眼福……とか思ってる私は相当重症。
ふと何回も期待したことを懲りもせずに想像してみる。
律くんが実は寝たフリをしてて、突然目が覚めた律くんが「芽衣」って名前で呼んで、私の手を奪って……。
なんて……。
そんな漫画みたいなキラキラした展開などない!
律くんが寝てる時は寝てるのだ!
そんな時、私に残された選択肢は起こすか待つの二択のみ。
今日はもう少しだけこのままでいいかな。



