疲れる……。
決定的なその言葉に、水深800メートルまで私の身体は沈みそうになる。
ゴフッ……消えたい……。
「俺の彼女がいちいち可愛すぎて」
「……え?」
「減ったと思った溜め息増えてんだよね」
顔を前に突き出して、私を覗き込んでくる。
ドキドキ、キュンキュン。
さっきまでは干からびていたのに、潤いを得た私の心臓は忙しくて大変だ。
「可愛い……って、言ったの?」
幻聴なんかじゃないよね?
確かめたくて恐る恐る問いかけてみる。
「俺のことが好きだってバカほどデカい声で親友に主張してんだよ? 可愛いの一言に尽きると思わない?」
可愛いの極み、と……。
じわりと熱くなっていく私の頬を指先で撫でる。
お母さんにさえこんなに可愛いと連呼されたことはない。



