「よしわかった。それじゃあテストが終わったら、水沢くんをここに呼び出そう」

「えっ、どうやって……」

「『うさぎ捕獲作戦』だよ」

「う、うさ……⁉」



何それ⁉ と言わんばかりに、青石さんは目を丸くして固まっている。



「まず、青石さんにはベッドに隠れてもらって、俺が校内放送で彼を呼び出す」

「なるほど……」

「ただ、いきなり保健室に呼び出すと怪しまれるから、まずは職員室に呼び出そう。その間に青石さんは急いで保健室に来て」



名前にインパクトがある作戦だったが、説明すると納得した様子で頷いてくれた。



「わかりました。でも、何か理由つけはいと余計怪しまれそうです」

「あー……それもそうだね……」



うーん……あっ、そうだ。



「水沢くんはうさぎに似てるって言われてるけど、青石さんは何に似てるって言われる?」

「えーっと……以前菫に、ロシアンブルーに似てるって言われました」



ロシアンブルー。聡明な彼女のイメージにピッタリだ。



「よし、それでいこう!」

「えっ? 一体どういうことですか??」

「大丈夫、俺に任せて」