2月。

ある日の昼休み。



「失礼します」

「お、青石さん。どうしたの?」



静かにドアを開けて保健室に入ってきた青石さんが、真顔でこちらに向かってきた。

えっ、ちょっと怖いんだけど。何があった⁉



「先生に協力して欲しいことがあるんです」

「協力……?」



話を詳しく聞くと、水沢くんと話をしたいのだけど、避けられて全然話せないらしい。



「彼とけんかでもしたの?」

「……私が悪くて。彼をもてあそんでしまったんです」



も……もてあそぶ⁉



「ちょ……青石さんはそんなことするような人じゃないでしょ」

「いえ……本当に私のことが好きなのか、試すような言動を取ってしまいました」



首を横に振り、俯いた彼女。

それって……。



「水沢くんは青石さんが好きなの?」

「薄々感じてはいました。
けど……先輩として慕ってくれているだけだと思ってたんです」



そういえば文化祭の時……水沢くん、すごく幸せそうな顔してたもんな。



「青石さんは水沢くんのことどう思ってるの?」

「……好きです」



おいおい……これ、両片想いじゃん……。