肩をポンポンと叩き、慰める。

波瑠磨は本当は優しい子なのに……。



「このままじゃ一生彼女できないかもしれない」

「そんなこと言うなよ」

「俺、いまだにクラスの女子からも距離置かれてるんだよ⁉」



中学生の時に好きな子に告白したら、相手がすごく怯えていたらしく、ビクビクしながら断ってきたんだそう。

それがトラウマで、女子と上手く話せないらしい。



「ねぇ……文化祭で会った同い年の女の子いたじゃん」

「あぁうん」

「……あの子、俺のこと怖がってなかったよね」



青石さんのことだな。
確かに、お互い穏やかに自己紹介してたっけ。



「……その子って彼氏いる?」



え、まさか狙ってる……?



「うーん、聞いたことないなぁ」

「それなら紹介してよ! 仲良しなんだよね⁉」

「本人に聞いてみないことには……」



うわぁ、どうしよう……。
こうなると、波瑠磨は少し面倒なんだよな……。

狙った獲物は逃がさない、みたいな。

あ、そういえば……。



「女装コンテスト見たよね?」

「見たよ。みんな綺麗だったよね」

「そのコンテストで優勝した子、青石さんの友達だよ」



水沢くんと青石さんが一緒に校内を回っていたのを思い出した。

あれは付き合ってるんじゃないかってくらい幸せそうな顔してたな。

特に水沢くん。