強引なキミに振り回された結果、恋に落ちてしまいました。




「俺、この高校の卒業生なんだよねー。 いろいろ懐かしいなぁ」



少し耳を傾けてみれば、自分のことばかり。


とりあえず無視を続けているけれど、振り払い方がわからない。


そうこうしている間に、人で溢れかえる廊下に戻ってきて、教室についた。



「すみません、失礼します」


「え、待ってよ! あっ、キミのクラスここ? ならクレープ食べて待ってるからシフト終わったら来てよ! もうすぐ交代でしょ?」



やっと解放されると思ったのに、引き止められてしまう。



確かこの人、ここが母校なんだっけ?



それなら学校祭のことにも詳しいわけだ。


シフト交代の時間まで知っているなんて。



「……あの、困ります」



早く教室の中へ逃げ込んでしまいたいのに、ドアの前に立ちはだかれてしまって、中に入れない。


もう片方の出入口は、お客さん専用になっている。


今も人でいっぱいでそっち側からも入れそうにはない。



───どうしよう。



キョロキョロとしていると、ふとお客さんを呼び込んでいた王子様スマイルの神風くんと目が合った。