家の中へと案内されて、やってきたリビング。
間取りは2LDKでとても広い。
部屋の雰囲気はオシャレなモダンテイスト。
舞さんの雰囲気にもとても合っている。
「ちょっと待っててねー」
そう言われて部屋の端で待っていると、舞さんがせこせこと椅子のまわりにシートを敷いて準備をしている。
まるでそこは簡易的な美容室みたいに。
「よし、準備オッケー! 澪ちゃん、座って?」
わたしは舞さんに言われるがまま、セッティングされた椅子に腰掛ける。
フワッとカバーをかけられて「苦しくない?」と聞かれた。
美容室なんて最近全く行っていなくて、そんな挨拶のように聞かれる言葉も久しぶりに聞いた。
わたしは「大丈夫です」と頷いて、今更抵抗もできずされるがままに身を任せた。
さすがプロの美容師の舞さん。
手際がとてもいい。
「今日は髪の毛も染めちゃいたいんだけど大丈夫?」
「そ、染めるんですかっ!?」
今まで一度も染めたことがない黒髪。
でもカラーをすることに少し興味はあった。
「ダメかな? びっくりしないように自然な色にするけど」
特に学校の校則も厳しくないし、自然な色にしてくれるなら……
「お任せします」
好奇心が勝って、そのままお願いすることにした。



