強引なキミに振り回された結果、恋に落ちてしまいました。




「いいの。どうせわたしはひとりぼっちだし……」



本当にそう思ってたんだから。



「……チッ。またそうやってマイナス思考。本当ムカつくわ」



わたしに背中を向けたままの神風くんは、後ろから見ても怒りのオーラが漂っている。


それならわたしのことなんて無視すればいいのに。



───あれ?



何気なくずっと神風くんの後ろをついて来た。でも一体わたしはどこに向かっているんだろう。


自分の家に帰るにはさっきの道を曲がらなければいけなかったのに。



「かみ……っ」



前を歩く神風くんに声をかけようかと思ったけれど、突然連れ出されてしまっただけで、別に一緒に帰ろうとしていたわけじゃない。


だからいいかとそのまま回れ右をして来た道を戻ろうとした。



「え、何帰ろうとしてんの?」


「……え?」



どうやらわたしが神風くんの名前を呼びかけたことに気がついていたらしい。


神風くんの問いかけに疑問を投げ返したいのはわたしの方だ。