頭の整理が着く前に、神風くんによって連れ出されるわたし。
「ほら、カバン持って」
思考が完全に停止してしまっているわたしは、神風くんに言われるがままカバンを手にして教室を出た。
気がつけば、華やかに彩られた校門を出て神風くんと外にいる。
外のまだ生ぬるい風を浴びて、やっと思考回路が正常に戻ってきた。
それでハッとする。
「学祭一緒にまわるって……」
「あー、あれはめんどい誘いを断る嘘。一日中つきまわされるとか……」
……出た、裏の顔の毒舌神風くん。
確かに毎日のように学校祭は一緒にまわろうと女の子たちから誘いを受けていた。
その度に神風くんは「どうしよっかなー」と笑って流していたけれど……まさか、その断る理由にわたしが使われるなんて。
また厄介なことをしてくれる。
どう考えても恨まれるのはわたしじゃない。
「そんな勝手なこと……!」
「ほら、そうやって俺に対抗するみたいに嫌って言えばいいじゃん。俺が行かなかったらまたわかったとか言ってたんじゃないの?」
神風くんが言っているのはきっとシフトのこと。
また神風くんはわたしを心配して?



