「なーんて、大丈夫だよ。なんかあったら俺がビシッと言ってあげるし」



王子様スマイルの神風くんはなんか信用できない。



「そんな目で見ないでよ。ほら、食材冷蔵庫に入れに行ってさっさと帰ろ」



初めに変なこと言ってきたのはどこの誰よ。


神風くんに聞こえないように、はぁとため息をついて、神風くんが残して行った軽い方の買い物袋を持って教室を出た。


学校祭のクラスの催し物で食材を扱うクラスは、家庭科室の冷蔵庫を貸し出してくれている。


予め割り振られている棚に買った具材をわたしたちのクラス分だとわかるようにして入れて置いた。


よし、これでわたしの任務は終了。



「ありがとう、神風くん」



散々いろいろと言われたわけだけど、なんだかんだで最後までわたしの買い出しの手伝いをしてくれた神風くん。


神風くんが昨日声をかけてくれていなければ、大変なことになっていた。



「どういたしまして」



やっぱり苦手な神風くんだけど、意外と優しいところもあるのかもしれない。