「もう、わかったよ」
ヘタを取って、ミニトマトを持つ手を唯斗くんの口元へ持っていく。
もっと嫌な顔をするかと思えば、意地悪な笑みを浮かべている。
……こうなったら。
「はい、口開けて?」
わたしは、唯斗くんが開けた口の中にお皿に乗っていたミニトマトを全部入れた。
わたしの分の2つと唯斗くんの分の2つで、計4つ。
口いっぱいに広がるトマトに、唯斗くんはしかめっ面をしていた。
仕返し大成功だ。
こんなに美味しいのになんで嫌いなのかわからない。
唯斗くんなんか、思う存分トマトを味わえばいいんだ。
「澪ー?」
「え、もう飲み込んだの!?」
「そうだけど? 俺に仕返しなんて、まだまだ早いよ、澪ちゃん?」
口元は笑っているのに、目は全く笑っていない。
メラメラと上がる唯斗くんの怒りのオーラに、背中にゾワッと寒気が走る。



