あれから1週間、神風くんとはあまり話していない。


やっぱり初日は使われただけ。


気まぐれで話しかけてきただけ。


神風くんの取り巻きの女の子たちからの痛い視線から解放されてホッとしている。


やっと平和な生活に戻った。


ただ、ひとつだけ気になることがある。



「あれ、今日も神風いないのか」



5時間目の授業で出欠を取っていた先生が呟く。


決して休みなわけじゃない。


だって朝だって来ていたし、カバンもまだある。


いわゆるサボり。


この1週間、ほぼ毎日のように午後は教室に帰って来ない。


そして、毎日昼休みは行方不明らしい。



また取り巻きの女の子たちから逃げているんだろうか。


でも、一体どこに?



必死になって探している女の子たちから見つからないなんて、かくれんぼの天才なんじゃないかと思ってしまうくらい。



「……ったく、しょうがないな神風は」



先生は呆れながらもそのまま授業を始めた。