「今日、姉ちゃんいないから夕飯作ってよ」
ケーキを食べ終えてソファーに座っていると、ポツリとそんなことを言い始める。
「うん、いいよ」
唯斗くんが喜んでくれるなら。
舞さんは彼氏さんのお家に泊まりに行くなら、夕飯も1人の予定だったってことだよね。
ひとりぼっちのご飯は寂しいことを、わたしは知っている。
1人より2人の方が楽しいに決まってる。
すぐにスマホを開いて、お母さんに"今日は夕飯食べてから帰るね"と連絡を入れておいた。
これでお家の心配はしなくて済む。
「唯斗くん、何食べたいの?」
「んー、澪?」
「……へっ?」
「嘘。 澪のハンバーグ」
び、びっくりした。
黒い大きな瞳でわたしを見て、変なことを言い始めるから……



